2024年2月末までの仮想通貨ハッキング被害額が合計で2億ドルを超えたことが、ブロックチェーンセキュリティ企業Immunefiの2月29日の調査報告書で明らかになった。事件数は32件だった。

2023年1月と2月の1億7300万ドルと比較すると、2024年2月末までの被害額は15.4%増加している。

2月は12件のハッキングと詐欺事件で合計6700万ドル相当の仮想通貨が盗まれた。これは1月の1億3300万ドルから約50%減少している。

Hacked funds in February 2024. Source: Immunefi

今年盗まれた資金のうち、最も多かったのは、仮想通貨ゲームプラットフォームPlayDappに対するサイバー攻撃による3230万ドルだ。2番目に大きな被害は、分散型仮想通貨取引所FixedFloatで2610万ドルだった。2月は分散型金融(DeFi)が攻撃の主な標的となり、中央集権型金融プロトコルは1件も大きな攻撃を受けなかった。

Top 10 largest crypto frauds in February 2024. Source: Immunefi

2月の盗難資金のうち、6500万ドル(97.54%)が10件のハッキングによるもので、2件の詐欺事件では165万ドル(2.46%)が盗まれた。

2月にハッカーが最も狙ったネットワークはイーサリアムで、次いでバイナンスのBNBチェーンとビットコイン関連サービスだった。イーサリアムは12件の個別攻撃を受け、今年これまでに失われた総額の85%以上を占めている。ビットコインネットワークとBNBチェーン関連のハッキングはそれぞれ1件の事件が発生した。

ハッキングや不正行為は、特にDeFiアプリケーションにおいて、仮想通貨業界における大きな懸念事項となっている。Immunefiの12月28日の報告書によると、2023年には仮想通貨ハッキングと詐欺被害で合計18億ドルが失われ、そのうち17%は北朝鮮のラザルスグループによるものと推定されている。

2023年最大の被害は、P2P取引プラットフォームMixin Networkへの攻撃で、2億ドル以上の損失が発生した。次いで、Euler Financeのレンディングプラットフォームへのハッキングで1億9700万ドル、クロスチェーンブリッジプロトコルMultichainへのハッキングで1億2600万ドルの損失が発生している。