ポリゴンのマーク・ボイロンCEOが、レイヤー3ネットワークはイーサリアムのスケーリングに必要ないと 主張し 、議論を呼んでいる。

ボイロン氏は4月1日、イーサリアムのレイヤー2スケーリングネットワークであるポリゴンラボは、既存のネットワークをスケールするためにレイヤー3を必要としていないとのべた。同氏は「レイヤー3はイーサリアムから価値を奪い、レイヤー3が構築されたレイヤー2に価値を移すためだけに存在する」と語った。

しかし、ボイロン氏のコメントは反論を受けた。ある批判者は、イーサリアムのレイヤー2は「イーサリアムの価値そのものだ」とコメントした。これに対し、ボイロン氏は部分的に同意しつつ、「レイヤー2の価値がイーサリアムの価値だとは思わない。極端な例を考えてみよう。すべてのレイヤー3が1つのレイヤー2で決済された場合、イーサリアムは基本的に何の価値を獲得できず、結果としてイーサリアムのセキュリティが危険にさらされる」と反論した。

「また、人々が何をするかには関心がない。ポリゴンネットワークを含む何にでもレイヤー3を構築しても構わない」と続け、「私たちは、イーサリアムに公正なシェアを与える代わりに、すべての価値をポリゴンネットワークに吸い取ろうとはしていない」と付け加えた。

ボイロン氏は、ポリゴンの使命は、適切な技術が整う前に、誰もがイーサリアムをスケールしようとしなかったとき、イーサリアム仮想マシン(EVM)の並列化とプライバシーを使ってイーサリアムをスケールすることだったと主張した。「レイヤー3はその使命と一致していない」と付け加えた。

レイヤー3プロトコルは、アプリケーション固有のDAppsをホストするためにレイヤー2の上に構築され、スケーリング、パフォーマンス、相互運用性、カスタマイズ、コストに関する幅広いソリューションを提供する。

現在、レイヤー3エコシステムの主要プレイヤーにはオーブス(Orbs)、ザイ(Xai)、zkSyncハイパーチェーンズ、そして最近発表されたアービトラムオービットのディジェンチェーン(Degen Chain)があるが、セクターはまだ小さく、コインゲッコーによるとレイヤー3のトークンはわずか4つがリストされているだけだ。

一方、オフチェーンラボのシニアパートナーシップマネージャーであるピーター・ヘイモンド氏は、イーサリアムから価値を奪わないレイヤー3の多くの利点があると 主張している 。レイヤー1ではなくレイヤー2からのネイティブブリッジングのコストの低さ、オンチェーンでの証明のコストの低さ、カスタムガストークン、特殊な状態遷移機能などをあげている。

アービトラム財団の研究者パトリック・マコリー氏はボイロン氏の見解に驚き、「レイヤー3は非常に理にかなっている。特にレイヤー2が最終的に決済層になり、ブリッジの実行が安くなり、最終的にイーサリアムをグローバルな注文サービスおよび決済の最終判断者として依存する場合には特にそうだ」と のべた 。

3月31日、ヘルスラボのマート・ムムタズCEOは Xの投稿で マーク・ボイロン氏に同意しているようだ。同氏は、「レイヤー3は基本的に他の中央集権的なサーバー(レイヤー2)に決済される中央集権的なサーバーだ」と述べている。

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は2022年9月にレイヤー3について 問題提起している 。彼はレイヤー3はスケーリングではなく「カスタマイズされた機能」を提供するために異なる目的を果たすだろうとのべ、ブロックチェーン上の第3レイヤーは、レイヤー2とは異なる機能を提供する場合にのみ意味があると当時述べていた。