ペイパルは4月4日、米国ユーザー(ハワイ州を除く)向けに、独自ステーブルコイン「PYUSD」を米ドルに換金して海外送金できるサービスを 開始した 。送金手数料は無料で160カ国以上に送金可能だという。

このサービスは、ペイパルの送金サービス「Xoom」を通じて提供される。送金先は、銀行口座、モバイルウォレット、金融機関窓口など。送金通貨が米ドル以外の場合、為替スプレッドが発生する。ハワイ州では州法により仮想通貨保有が禁止されているため、利用できない。

「このオプションを選択すると、Xoomは米国ユーザーのペイパル仮想通貨ハブにあるPYUSDを、仮想通貨の売却手数料なしで米ドルに換金し、送金先は送金者が選択した法定通貨で受け取ることができる」

PYUSDは、ニューヨークのパクソス・トラスト社が発行・管理している。昨年8月の発行開始以来、発行額は約2億米ドル。USDコイン(USDC)の329億ドル、テザー(USDT)の1100億ドルと比べると規模は小さい。

ペイパル デジタル通貨グループでシニアバイスプレジデントを務めるホセ・フェルナンデス・ダ・ポンテ氏は、「PYUSDの目標は、ユーザーの信頼を最大限に高める安定的な価値を提供し、商取引や決済に役立てること」と述べている。

同日、リップルは1500億ドル規模のステーブルコイン市場に対抗するため、米ドル建てステーブルコインの発行を発表した。また、4月3日には、投資運用会社ヴァンエックの創業者ヤン・ヴァン・エック氏の息子、ニック・ヴァン・エック氏が1200万ドルの資金調達ラウンドを完了し、米ドル建てステーブルコインの発行を予定している。