著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

4月1日〜4月6日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比270,238円(2.50%)安の10,529,761円と反落したが、終値は安値の983.5万円から7%ほど上昇し、底堅さも印象付ける値動きとなった。

週前半に大口とみられる売りによって下値を模索する展開を繰り広げた先週のBTC円だったが、心理的節目の1000万円周辺で下げ止まると、米新規失業保険申請件数の上振れや、モルガン・スタンレーも現物ビットコインETFの提供を検討しているとの情報が流れ、4日の米時間には1050万円まで戻した。

5日には、米ミネアポリス連銀カシュカリ総裁が、年内の利下げ開始を見送る可能性に言及し、BTC円は上値を重くしたが、米労働省がこの日発表した3月の雇用統計で、前年同月比の賃金上昇率が継続的に低下した一方で、月間の雇用者数は強い数字となったことで、景気を過度に減速させずにインフレ圧力が鈍化するソフトランディング期待が浮上し、BTCは米株の反発に連れ高となった。

週末にはドージコイン(DOGE)を筆頭にミームコインの上昇に連れてBTC円は1050万円を回復。本日未明には1067万円まで上昇したが、これによりドル建てBTC相場が三角保ち合いの上限に達したことで、その後は失速し上げ渋る展開となっている。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成

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