決済大手のペイパルと仮想通貨企業パクソスが発行するステーブルコイン「ペイパルUSD(PYUSD)」の発行量が3月に大幅に減少したことが、パクソスが9日に発表した透明性レポートで明らかになった。

レポートによると 、3月のPYUSD発行量は1億8850万ドルで、2月から39%減少。2月と1月はそれぞれ3億400万ドル、3億100万ドルだった。

3月29日現在、ペイパルUSDの準備資産には1490万ドルの米国債が含まれており、想定元本は約1480万ドル。米国債担保リバース・レポのPYUSD担保の現在の時価は1億7790万ドルで、額面価値は約1億7400万ドル。純資産合計は1億9200万ドルで、額面価値は1億8900万ドルだ。

コインゲッコーのデータによると、PYUSDの時価総額は2月26日に3億1200万ドルの史上最高値を記録した後、下落を続けている。

このステーブルコインは2024年の初めに急成長を遂げ、1月中旬までのわずか約1ヶ月で時価総額は2倍になった。記事執筆時点では、PYUSDの時価総額は1億9400万ドルに達し、過去7日間で約3%上昇した。

PayPal USD all-time price chart. Source: CoinGecko

3月は仮想通貨市場全体が上昇し、ビットコイン(BTC)は3月13日に7万3000ドルを超える史上最高値を更新した。しかし、PYUSDの発行量は逆行して減少している。

ペイパルUSDステーブルコインは、ペイパルとパクソスが共同で開発し、2023年8月にローンチした。米ドルに1対1で連動し、デジタル決済やWeb3での利用を想定している。米国ドル預金、短期国債、その他の現金同等物で裏付けられている。

発行から8ヶ月が経過し、PYUSDは主要なステーブルコインの一つとして台頭している。コインゲッコーによると、時価総額で13位にランクインしている。パクソスの「パックスドル(USDP)」や「ジェミナイドル(GUSD)」を上回っている状況だ。

Top 13 stablecoins by market capitalization. Source: CoinGecko

しかし、PYUSDの時価総額は、テザー(USDT)の1066億ドルと比べると0.18%に過ぎない。4月9日現在のステーブルコイン全体の時価総額は1550億ドルとなっている。