投資会社ヴァンエックの最高経営責任者(CEO)であるジャン・ヴァン・エック氏は、米証券取引委員会(SEC)が5月に現物型イーサリアム上場投資信託(ETF)を承認する可能性は低いと述べた。

4月9日のCNBCへのインタビューで 、ヴァン・エック氏は自社のイーサリアムETF申請が「おそらく却下されるだろう」と語った。ヴァンエックは、キャシー・ウッド氏率いるARKインベストとともに米国で初めてイーサリアムETFの申請を行っており、両社はそれぞれ5月23日と5月24日に最終決定を待っている状況だ。

「法的手続きの流れでは、規制当局が申請に対してコメントを出すが、ビットコインETFの場合は数週間にわたってそれが行われた。しかし、イーサリアムに関しては音沙汰がない」とヴァン・エック氏は指摘した。

コインシェアーズのジャン=マリー・モニェッティCEOも同様に悲観的で「今年のこの時点で何かが承認されるとは思えない」とCNBCに語った。

ヴァン・エック氏のコメントは、SECがイーサリアムETFに関する7件の保留中の申請に長期間何の行動も起こしていないことを受けてのものだ。

Jan van Eck on ETH ETFs. Source: CNBC

ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏も、規制当局側の「沈黙」を理由に挙げ、5月のETF承認がますます不確かになっているとみる。ヴァン・エックのイーサリアムETF申請は5月23日に最終決定を迎える予定であり、グレイスケール、ブラックロック、フィデリティを含む7つのファンド発行体が承認を待っている。

ETH ETF applications. Source: Bloomberg

バルチュナス氏は、5月のイーサリアムETF承認の可能性を70%から35%に下げた。同氏は3月に承認の可能性を35%に下げた立場を繰り返し、4月9日のXでの投稿でヴァン・エック氏のコメントに反応した。「SECからの申請文書に対するコメント(彼が言及した"重要なフィードバック")が必要だが、それがまだ行われておらず、対面でも何も提供されていない。沈黙は暴力だ」とのべた。

ETFアナリストのジェームズ・セイファート氏も同様の見解を示し、「コメントややり取りがゼロというのは悪い兆候だ」と付け加えた。