中央銀行の金購入は過去最高レベルに増加 世界の米ドル優位に変化か
世界各国の中央銀行は今年、価値の保存手段としての金準備を過去最高レベルで増加させている。
マクロ経済情報を提供するコービッシレターは 9月2日のX投稿 で、2024年上半期の中央銀行による金の純購入量が483トンに達し、過去最高を記録したと報告した。この数値は、2023年上半期の460トンという前回の記録を5%上回るものだ。
2024年第2四半期には、中央銀行が183トンの金を購入し、前年同期比で6%の増加となった。ポーランド国立銀行、インド準備銀行、トルコ中央銀行が、この期間中に最も多くの金を購入した中央銀行だった。
8月下旬、ポーランド国立銀行のアダム・グラピンスキ総裁が、金が同銀行の準備資産の20%を占めることを目指して、金の購入を続けると 明らかにした 。
Central bank gold demand in the first half of 2024. Source: Kobeissi Letter
トロウ・キャピタル・マネジメントの創設者であるスペンサー・ハキミアン氏は、中国、インド、ロシア、サウジアラビアといった国が「もはや西側の準備資産を保有することを信頼していない」とコメントし、「金は唯一の中立で安定した準備資産だ」と 指摘している 。
Largest central bank increases in gold reserves, Q2 2024. Source: World Gold Council
テクノロジー起業家のキム・ドットコム氏は 9月1日のX投稿 で、BRICS諸国による金担保のステーブルコインが資産の需要を増加させ、ドルの不安定性をもたらすと述べた。「BRICSの金担保ステーブルコインが登場すると、米ドルでの取引は急減し、中央銀行は米ドルから撤退し、米国のマネープリンティング・ポンジスキームは崩壊する。2030年までに世界GDPの14%が米国から他国に移行するだろう」。
一方グローバル・マーケッツ・インベスターは、「金は史上最高の上昇を見せている」とコメントし、年初来で23%上昇しており、S&P500の18%の上昇を上回っていると付け加えた。
デジタルの価値保存手段であるビットコイン(BTC)は、2024年にこれまで37%の上昇を記録している(3月の史上最高値から22%の下落があったにもかかわらずだ)。
それにもかかわらず、金支持者で仮想通貨批判者のピーター・シフ氏は 9月1日のX投稿 で、ビットコインの上昇は年初の2ヶ月間だけであり、その後は米国での現物ETFの導入にもかかわらず下落しているとコメントした。一方、金価格は8月27日に1オンスあたり2525ドルの史上最高値を記録した。シフ氏は「勢いは変わった」と宣言したが、結論としては、BTCは今年これまでのところ金を上回っている。
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