著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・トランプ氏勝利で76,000ドルまで

・半減期後の低迷期を抜け本格上昇期に入り、年末10万ドルと予想が現実味を増す

・ETFフロー第2波が始まった可能性

・本日は共和党が下院で過半数を取るか、FOMC後に長期金利が低下するか注目

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は大幅上昇。

68,000（約1040万円）ドル台で切り返すと、76,000ドル（約1160万円）台まで約1割上昇した。

BTCはフライング気味の「もしトラ」トレードにより73,000ドル台の史上最高値に肉薄するも失速、週明けの金融市場で「もしトラ」トレードの巻き戻しが強まる中、BTCは一時66,000ドル台に値を落とした。

月曜日のETFフローは▲541百万、火曜日は▲117百万ドルと投票日を前にポジション調整的な動きも見られたが、一時53％程度まで低下していたPolymarketでのトランプ氏勝利確率が60％近くまで回復する中、昨日未明には70,000ドル台に回復した。

しかし、イスラエルの停戦派のガラント国防相が更迭され、強硬派のカッツ氏が後任となったこともあり、朝方68,000ドル台に下落した。

大統領選の開票が始まり激戦州のひとつであるジョージア州でトランプ氏優勢が伝わるとトランプ氏の勝利確率が70％に上昇、BTCも71,000ドル台に上昇したが、ノースカロライナやペンシルバニアなどでハリス氏優勢が伝わると、70,000ドル台に値を下げた。

しかし、ノースカロライナでトランプ氏が逆転、それ以外の地区でも同氏の優勢が伝わるとPolymarketでのトランプ氏勝利確率が9割台に急騰、BTCは史上最高値をあっさりクリアし75,000ドルにワンタッチした。

その後、一旦73,000ドル台に値を下げたが、日本時間の午後に入り上院で共和党が過半数を確実にすると上昇に転じ、トランプ氏がペンシルバニアも制し、FOXなどが同氏の当選確実を報じると75,000ドル台半ばに上値を伸ばした。

その後、同氏が勝利宣言をする中、Sell the Fact気味に72,000ドル台に失速したが、海外市場に入るとじりじりと74,000ドル台に値を戻した。

米株が史上最高値を更新、ETFからの大規模フローも期待される中、30年債入札が好結果に終わりリスクオンムードが高まると、今朝方76,000ドル台に上値を伸ばしている。

本日のBTC相場

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