ムーンペイ、新ソリューションでセルフカストディ型仮想通貨の利用を拡大
仮想通貨インフラ企業ムーンペイは、ユーザーが法定通貨残高を保持し利用できる新しい決済ソリューション「ムーンペイバランス」を発表し、セルフカストディにおける支出の利便性を向上させる。
ムーンペイは11月13日に「ムーンペイバランス」を正式に導入。ユーザーがムーンペイ上で法定通貨残高を保管・利用し、分散型金融(DeFi)と接続するエントリーポイントとして活用できる新たな決済ツールだ。
発表によると、新しいソリューションにより、ムーンペイはセルフカストディウォレットであるメタマスク、ファントム、ビットコインドットコムなどと直接統合し、ユーザーが残高を利用できる機能を提供する。
SEPAやファスターペイメント、オープンバンキングをサポート
ムーンペイバランスは、英国およびドイツを除く大部分の欧州諸国で提供が開始され、対応地域には英国、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデンなど27カ国が含まれている。
The process of depositing and withdrawing from MoonPay Balance. Source: MoonPay
ローンチ時点では、単一ユーロ決済圏(SEPA)決済、ファスターペイメント、オープンバンキング決済がサポートされている。ムーンペイの広報担当者はコインテレグラフに対し「米国ユーザー向けにはACH決済を導入予定であり、決済オプションの拡充を積極的に進めている」とコメントした。
仮想通貨による残高のチャージはできないが、ユーザーは仮想通貨をユーロや英ポンドに交換し、その資金を使ってムーンペイバランスにチャージすることが可能だと担当者は述べている。
ムーンペイは、預金、引き出し、購入および売却において手数料を徴収しないと発表したが、特定の取引やサービスにおいてはパートナーがエコシステム手数料を請求する可能性があると付け加えた。
セルフカストディ仮想通貨ウォレットが「主要な銀行口座」に
ムーンペイバランスの導入により、ビットコイン(BTC)などを他者に依存せずに保管するセルフカストディの普及に大きく貢献することになる。
ムーンペイ共同創設者兼CEOのイヴァン・ソト・ライト氏は、「将来的には、セルフカストディ仮想通貨ウォレットが主要な銀行口座として機能することが期待される」と述べた。
MoonPay co-founder and CEO Ivan Soto-Wright. Source: Fortune
ソト・ライトは、「ムーンペイバランスは分散型エコシステムにおける重要なギャップを埋め、ユーザーにセルフカストディウォレットで仮想通貨を管理する自由を提供する」と述べ、「ムーンペイでは、ユーザーがデジタル資産を完全に管理し、従来のフィンテックアプリに匹敵またはそれを上回る体験を享受できるようにすることを信条としている」と強調した。
ムーンペイの最新の支出ソリューションは、ペイパルなどの大手金融企業との一連の統合の延長線上にある。今年7月には欧州連合および英国の顧客向けにペイパルの法定通貨オンランプを導入し、5月には米国でも同様のペイパル機能を提供した。
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