仮想通貨市場がこれまでのパターンに従わなくなっており、多くのトレーダーが困惑している。

「市場は正常に機能していない」と、仮名の仮想通貨トレーダーのシコデリック氏は 2月4日のX投稿 で述べた。同氏は、米トランプ政権の仮想通貨推進政策にもかかわらず、市場はひたすら価格を戻し続けていると指摘した。

「市場はもはや何の法則性もなくなった…これはほぼすべての投資家にとって非常に混乱する状況だ」とも述べている。

また、仮想通貨トレーダーのビットコインセラピスト氏は、同日のX投稿で「市場のビットコインの価格設定が完全におかしい」と主張した。

「明らかに5万〜10万ドルも過小評価されている。強気材料があまりにも多すぎる。市場の価格設定が激しく見直されるだろう」と続けた。

仮想通貨市場の投資家心理を測る 恐怖強欲指数 は、2月5日に18ポイント低下し、「強欲」の72から「中立」の54へと急落した。

2024年末の時点で、多くのアナリストやトレーダーは、トランプ氏の当選と米国におけるビットコインの準備資産化への期待から、2025年初頭にビットコインの市場支配率（ドミナンス）がピークに達すると予想していた。その後、資本はアルトコイン市場へと流れ、「アルトコインシーズン」の始まりとなると見られていた。

しかし、ビットコインのドミナンスは現在61.47%に達しており、アナリストのベンジャミン・コーウェン氏が 昨年8月に予測した 「60%でピークを迎える」という水準を既に超えている。

仮想通貨市場の異変にトレーダー困惑 米国の仮想通貨推進策でも伸び悩むビットコイン image 0

ビットコインのドミナンス  Source: TradingView

ビットコインは1月20日にトランプ大統領の就任式とともに10万9000ドル超える過去最高値を記録したものの、その後は大きく反落した。

多くのトレーダーが過去の値動きに基づく予測を重視する一方で、マクロ経済イベントの影響を考慮していないことが、現在の市場の混乱を招いている可能性がある。

2月3日、トランプ政権がカナダ・メキシコ・中国への新たな関税を発表したことを受け、市場では「仮想通貨史上最大の清算イベント」が 発生 した 。

コイングラスのデータによると、24時間以内に22.4億ドル相当が清算された。一部の市場関係者は、実際の清算額は100億ドルに達する可能性もあると指摘している。

その後、トランプ大統領はカナダとメキシコへの関税を一時的に停止すると発表したが、ビットコインは依然として心理的節目である10万ドルを下回ったままだ。

記事執筆時点では、ビットコインは9万7925ドルで取引されている。

仮想通貨アナリストのミハエル・ヴァン・デ・ポッペ氏は 2月4日のX投稿 で「米政府は仮想通貨の黄金時代を目指しているにもかかわらず、多くの人がすでに市場がピークに達したと思っている」と指摘した。そして、「実際のところ、仮想通貨市場はまだ始まったばかりだ」と述べ、さらなる成長の可能性を示唆した。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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