ビットコイン(BTC)は2月12日のウォール街開場に向けて9万5000ドルを割り込み、米国のインフレ指標が市場予想を上回ったことを受けて下落した。足元では反発し、97000ドルを回復している。

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BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

CPIの予想上振れでリスク資産の売りが加速

Cointelegraph Markets ProとTradingViewのデータによると、ビットコインはBitstampで9万4091ドルの局所的な安値を記録した。

1月の米国消費者物価指数(CPI)は、月次・年次ベースのいずれも市場予想を上回った。

米労働統計局(BLS)のデータによれば、CPIは前月比0.5%上昇し、市場予想を0.2ポイント上回った。前年同月比では3%の上昇となり、予想の2.9%を超えた。

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US CPI 12-month % change. Source: BLS

「総合CPIは4カ月連続で上昇し、コアCPIも再び上昇基調に入った。米国のインフレは依然として加熱している」と、トレーディングリソースのThe Kobeissi LetterはX(旧Twitter)で指摘した。

「これは2024年6月以来の最も高いCPI上昇率となる。さらに懸念されるのは、総合CPIが前月比+0.5%と大幅に上昇したことだ。これにより、利下げの時期はさらに先送りされるだろう」

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Fed target rate probabilities. Source: CME Group

CMEグループのFedWatchツールによる最新の推計では、3月の米連邦準備制度(FRB)による利下げ予想はわずか2.5%まで急落した。

また、トレーダーは2025年上半期の利下げの可能性を引き下げ、10月を次の政策緩和のタイミングとして織り込んでいる。

「市場は、次の利下げが2026年12月までないと見ている」とKobeissiは続けた。

「最新のデータを受けて、市場は今後数年間の高金利を織り込みつつある」

ビットコイン価格、重要局面に

ウォール街の市場が再開する中、ビットコインは9万ドル台半ばでの回復を試みたが、買い手の関心がどの程度あるかが注視されている。

「予想を上回るインフレの影響で、今日の動きが注目される」と、トレーダーのSkewはXに投稿し、バイナンスのオーダーブックの流動性について言及した。

「ここまでの売りで積み上げられていた買い注文が消化されたため、日中に反発を試みる動きが出る可能性がある」

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BTC/USDT 5-minute chart with Binance order book data. Source: Skew/X

Skewは、現在のスポット価格と9万ドルのレンジ安値の間に「十分な流動性」が存在すると指摘した。

一方で、トレーダーのCrypto Chaseは「正念場」と警戒し、8万ドル台前半での買いを予定していると述べた。

トレードチャンネル「More Crypto Online」は、9万6690ドルと9万3630ドルを短期的なレジスタンスおよびサポートとして注視すべき水準に挙げた。

「重要な局面だ。直近の高値である9万6690ドルを明確に上回れば、黄色のシナリオ(強気の展開)が強まるだろう。その場合、勢いのある上昇が理想的だ。一方で、9万3630ドルを持続的に下回れば、白色のシナリオ(下落基調)を継続し、サポートがレジスタンスへと転換する可能性が高い」と、Xの投稿で述べた。

「現在は黄色のシナリオを想定しているが、底打ちの確証やフェイクブレイクダウンの有無が明確になるまでは、確信を持つことはできない」

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BTC/USD 30-minute chart. Source: More Crypto Online/X

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。