世界中のステーブルコイン発行者は米国当局への登録を義務付けられるべきだ。世界第2位のステーブルコインを発行するサークルの共同創業者ジェレミー・アレール氏がこう主張している。

アレール氏の意見によれば、米国の政策立案者は米ドルをベースとするステーブルコインを発行する企業に対し、物理的な所在地に関係なく登録を義務付けるべきだという。これは、サークルのUSDコイン(USDC)をはじめとするドル建てステーブルコインを対象とする。

消費者保護を理由に挙げ、米ドル建てステーブルコインの発行者が「米国の法律を無視し、好き勝手に運営し、米国市場に参入することを許されるべきではない」と指摘した。アレール氏は ブルームバーグのインタビュー で次のように述べている。

「オフショア企業であろうと、香港に拠点を置いていようと、米国で米ドル建てステーブルコインを提供したいなら、米国に登録する必要があるべきだ。我々が世界各国で登録を義務付けられているのと同じようにだ」

米議会のフレンチ・ヒル議員とブライアン・スタイル議員が、米国におけるドル連動型決済ステーブルコインの規制枠組みを確立するための 討議草案 を提出している。

この草案は、トランプ政権がステーブルコインを規制し、国内に取り込む方針を確認したことを受けたものだ。ホワイトハウスの仮想通貨政策担当デービッド・サックス氏は、ステーブルコインが「ドルの国際的な支配力を拡大する可能性がある」と 述べている 。

「競合他社がテザーを潰す」ーテザーCEO

一方で、世界最大のステーブルコインUSDTを発行するテザーのパオロ・アルドイノCEOは、同社が競合他社や政治家からの圧力をかけられており、仮想通貨市場から排除されようとしていると 主張した 。

「競合他社のビジネスモデルは、より優れた製品を作り、より大きな流通網を構築することであるべきだ。しかし、彼らの本当の狙いは『テザーを潰すこと』だ」とアルドイノ氏は言う。

「彼らが行うすべてのビジネス会議や政治的な会合は、最終的にこの目的に行き着く」 と同氏は続けた。

この発言は、テザーが欧州連合(EU)の暗号資産市場(MiCA)規制のもとで、ステーブルコイン発行が承認された10社のリストから除外されたことを受けたものだ。

テザーは、2024年末にMiCA規制が施行されて以来、欧州での規制上の課題に直面している。

欧州のMiCA規制に準拠するため、仮想通貨取引所クラーケンは、2025年3月31日からUSDTを含む5つのステーブルコインを上場廃止すると 発表した 。

またクリプト・ドットコムも同様に、2025年1月31日からUSDTを含む10種類のステーブルコインを上場廃止すると 発表した 。