パキスタン財務相、デジタル通貨導入のため「国家仮想通貨評議会」設立を検討

パキスタン財務相が国家仮想通貨評議会の設立を検討

2,000万人の仮想通貨アクティブユーザーを抱えるパキスタンは、仮想通貨合法化に向け、財務省は国家仮想通貨委員会の設立を検討している。

現地メディアの 報道 によると、この動きは、ムハンマド・アウラングゼブ（Muhammad Aurangzeb）財務大臣と「デジタル資産に関するトランプ顧問」と称される米国代表団との会談後に行われた。提案された委員会は、政策の策定、規制上の課題への対応、および世界金融基準への準拠の確保を目的としている。

報道によると、同委員会は主要政府代表、規制当局、業界の専門家で構成され、政策策定を監督し、規制上の課題に対処し、同国の暗号エコシステムが持続可能かつ安全な方法で発展することを保証する役割を担うとみられている。

外国代表団が仮想通貨の採用を推進

米国大使館は公式に訪問を発表していないものの、会談では仮想通貨の世界的な台頭とパキスタンがそれを活用する方法に焦点が当てられた事を情報筋が明らかにしたという。

また、より多くの投資家を引き付けるため、主要な政府プロジェクトをデジタル資産に変換することについても議論された。

今回の動きは、規制された仮想通貨の枠組みを確立するというインドの決定と同時期に起こったが、1兆ドル（約149兆円）規模の業界を受け入れているのはインドだけではない。日本や中国、ロシアなどの国は、2025年に仮想通貨に対する姿勢を変えつつある。また、ドナルド・トランプ（Donald Trump）新政権下では、ビットコイン（Bitcoin/BTC）が注目を集め、米国は金融危機に対処するために最大のビットコイン準備金を創設する準備を整えている。

今訪問中の米国代表団には、ジェントリー・ビーチ・ジュニア（Gentry Beach Jr.）氏、ニキータ・ゴールドスミス（Nikita Goldsmith）氏、アレックス・マルコフ（Alex Malkov）氏、ジェラド・フィンク（Jerad Finck）氏といった、ブロックチェーン、フィンテック、米国の投資界と深いつながりを持つ人物が含まれている。彼らの存在は、パキスタンのデジタル資産環境に対する国際的な関心の高まりを浮き彫りにしている。

政府の姿勢変化

最近まで、パキスタン政府と中央銀行は仮想通貨に強く反対していたが、同財務大臣は現在、パキスタンを国際的なベストプラクティスとFATF（金融活動作業部会）のガイドラインに合わせるという新たなアプローチを求めている。

議論は金融の安全性、リスク軽減、経済におけるデジタル資産の役割を中心に行われ、会談では、資本市場の流動性と効率性を高めるために国営企業をトークン化することも検討されたとのことだ。

また、違法行為への懸念が高まる中、同財務大臣はバランスの取れたアプローチを求めており、投資とイノベーションを奨励しつつ、金融犯罪を防ぐための厳格な監視を維持することに焦点を当てている。なお、この会議は、「パキスタンのデジタル資産分野での安全性、透明性、経済的実行可能性を確保する包括的な規制枠組みを開発する」という約束で終了している。