XRPの完全希薄化後時価総額(FDV)がイーサリアム(ETH)を上回ったことが、3月14日のコインゲッコーのデータで明らかになった。

このFDVの逆転は、 XRPレジャー の分散型金融(DeFi)エコシステムが勢いを増している一方で、イーサリアムがソラナなどの競合レイヤー1ブロックチェーンとの競争に苦戦していることを示している。

3月14日時点でXRPのFDVは約2350億ドルに達し、イーサリアムのFDVを10億ドル上回っている。ただし、時価総額ベースでは依然としてイーサリアムがリードしており、ETHが2330億ドル、XRPが1360億ドルとなっている。

FDVはすべての発行済みトークンを考慮した総評価額であり、時価総額は流通しているトークンのみを考慮するという違いがある。

なお、XRPの開発企業であるリップルラボは、数十億ドル規模のXRPを保有している。

XRPのFDVがイーサリアムを超える  XRPレジャーのDeFiエコシステムが勢いを増す image 0

Cryptocurrencies by FDV. Source: CoinGecko

XRPの躍進と市場の変化

XRPの価格は、2024年11月5日の米国大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、300%超上昇し、現在は約2.3ドルに達している。

トランプ氏は「米国を世界の仮想通貨の首都にする」と公言しており、仮想通貨業界に友好的な人物を主要な規制機関のトップに任命している。このような規制環境の変化は、特にXRPにとって有利だと考えられている。

2024年に開始されたXRPのネイティブDEX(分散型取引所)は、2025年1月までに10億ドル以上のスワップ取引を処理しており、DeFi分野での成長が 加速している 。

さらに、トランプ氏がXRPを米国のデジタル資産備蓄に組み入れる計画を 発表した ことも、XRPに対する市場の追い風となった。このデジタル資産備蓄には、ソラナ(SOL)やカルダノ(ADA)などの仮想通貨も含まれる予定だ。

ただし、このデジタル資産備蓄は政府が市場で直接仮想通貨を購入するのではなく、法執行機関が押収した資産を保持する仕組みとなっている。

また、米証券取引委員会(SEC)はリップルに対する執行措置の終了を進めていると 報じられている 。すでにSECは コインベース 、 クラーケン 、 ユニスワップ などの仮想通貨企業に対する措置を取り下げている。

イーサリアムの苦戦と競争環境の変化

一方、イーサリアムの価格は2024年3月のデンクン・アップグレード以降、低迷が続いている。このアップグレードによりトランザクション手数料が約95%削減されたものの、市場における競争力の強化にはつながっていない。

2025年3月時点で、ソラナの取引高はイーサリアムおよびそのL2スケーリングチェーン全体と 同等に達しており 、高速な取引処理を強みとするソラナがミームコインブームの中心となった2024年の流れを受け、引き続き強い影響力を持っている。