米SEC、ヒンマン氏の選択的執行を巡る調査報告書を公表

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nextmoney-news (JP)2025/04/15 02:12

著者:nextmoney-news (JP)

米SECが、ヒンマン氏の選択的執行を巡る調査報告書を公表

SEC （米国証券取引委員会）は、元企業財務部門ディレクターのビル・ヒンマン（Bill Hinman）氏によるイーサリアム（Ethereum/ETH）およびリップル（Ripple/XRP）に関する発言と、それに伴う選択的な執行姿勢について調査した報告書を公開した。

We finally got the @SECGov Inspector General's Crypto Conflicts report, focusing on William Hinman.

The narrow question of whether he committed a crime is a high bar the OIG predictably didn't clear.

On bigger Ether/XRP selective enforcement/conflicts controversies? Whitewash. https://t.co/1vNa3LsjBX pic.twitter.com/DF18bL2RGl

— Jason Foster (@JsnFostr) April 11, 2025

日本語訳：
ついに、ウィリアム・ヒンマンに焦点を当てた監察総監のSEC紛争報告書を入手しました。
彼が犯罪を犯したかどうかという限定的な問題は、予想通りOIGがクリアできなかった高いハードルだ。
より大きなETH/XRP の選択的執行/紛争論争について? ごまかし

これを受けて、仮想通貨業界では長年の懸念であるSECの対応の一貫性に再び注目が集まっている。ヒンマン氏は2018年、イーサリアムは証券に該当しないとの見解を示し、市場に大きな影響を与えた。一方で、XRPに対しては法的措置が講じられたことで、対応の一貫性や公平性に対する批判が継続してきた。

報告書では、SECの内部機関であるOIG（監察官室）がヒンマン氏の行動を調査し、法的な違反行為は確認されなかったと結論づけた。同氏は倫理規定に従って職務を遂行し、個人的な利益追求もなかったとされている。資産報告書上では仮想通貨の保有もなく、前職の法律事務所からの年金もあらかじめ固定されていたことが確認された。

ただし、同氏の古巣であるその法律事務所は、イーサリアム推進団体 Enterprise Ethereum Alliance （EEA）に所属しており、こうした関係性を背景に、在任中の発言が利益相反にあたるのではないかという指摘が業界からは根強く残っている。

また、スピーチの作成にあたって一部外部関係者と接触があったことは認められているが、それがSECの政策決定に影響を与えた明確な証拠は示されていない。判断がSEC内部の機関によって下されたことで、調査の客観性に対する疑問の声も出ている。

批判的な視点と業界の反応

仮想通貨業界および法曹界からは今回の報告書に対して懐疑的な見方が広がっている。

リップル社の支持者やXRPコミュニティは、「証券か否か」の基準が不明瞭なままであることに加え、今回の報告書はSECによる自己正当化に過ぎないと批判を強めている。

公益監視団体 Empower Oversight は、調査報告の範囲が限定的であり、選択的執行に関する本質的な問題に踏み込めていないと非難。とりわけ、同氏とイーサリアム関連団体のつながりについて調査が行われなかった点を問題視している。Empowerは、過去にSECに対して情報公開請求を行い、関連文書を引き出すなど、透明性向上のための活動を継続してきた。

さらに、SECが同氏のスピーチを「個人の見解」と位置付けたことにより、過去の発言や今後の方針に対する信頼性にも疑問が生じている。一部の専門家は、今回の報告書は「内部責任の回避」を目的としたものではないかとの見解を示しており、リップル社との裁判や今後の仮想通貨規制において、本件がどのように影響を与えるか注目が集まっている。